醗酵食品のはじまり
醗酵は、私たちの生活に欠かすことのできない、食品、医療品、化粧品、そして洗剤や環境改善などに活かされています。その中でも食品はとても身近な存在で、特に私たち日本人は、多くの醗酵食品と共に生活をしています。日本の伝統調味料の味噌、醤油、酒、みりん、酢は全て醗酵食品(調味料)です。普段から当たり前に存在するこれらの醗酵食品は、微生物の働きによってつくり出されるものなのですが、では、その起源はいったい何なのでしょうか?
ワインやチーズは7000~8000年前頃、ビールやパンや日本酒等も数千年前からつくられていたと考えられています。
醗酵食品の起源は諸説ありますが、英語で醗酵を<fermentation>、ラテン語の<fervere>「沸く」「沸き立つ」を意味する言葉が語源となっていることから、アルコール醗酵時に炭酸ガスがプクプクと泡のように沸き立つ様から付けられたと考えられるため、起源はアルコールであるという説が有力とされています。
その最初の酒は「猿酒」という説があり、それは果物が自然発酵してできたお酒のことで、その果実が自然醗酵する様子を目の当たりにした古代人たちが、やがて醗酵食品を日々の暮らしに取り入れるようになったと言われています。
そこから醗酵食品の歴史がはじまり、試行錯誤を繰り返しながら現代へと受け継がれています。